なごり雪 [辰野通信]
先週末は暖かかった辰野も冬に逆戻りした感じ。
昨夜から降りはじめた雪も朝には止んでいましたが、結構積もりました。
庭はこのとおり( ̄_ ̄;)
高台から見下ろす辰野の街。
駅までの道、色褪せた消火栓。
せっかく咲いたのに・・・ね。
坂の途中にある道祖神。
この風情、「なごり雪」の歌を思い起こします。
X-Pro2は画素数が増えたことも手伝って、X-Pro1よりも更に繊細な絵を作ります。
いやぁ、いい感じです。
沢底風情 [辰野通信]
平出から有賀峠に向かう県道50号線から外れてズンドコと山の方へ登ってゆくと、
そこは沢底(さわぞこ)の集落。
山の中なのに「沢の底」とはコレ如何に?
地元のおぢさん曰く、その昔、この辺りは諏訪領と高遠領の境界だったので、
「諏訪底」(すわぞこ) と呼ばれていたそうな。
「諏訪底」とは「諏訪の外れ」という意味だそうで、このおぢさんの説によると
それが訛りに訛って「沢底」になったんだそうな。
見たところは何の変哲のない山里ですが、沢底の歴史は古く、遡れば縄文時代にまで達するといいます。
その証拠に、そこら辺の山や畑から黒曜石の矢じりや土器の破片が出土するらしく、
おぢさんが子供の頃はその矢じりを集めるのが流行っていたそうな。
この日、この集落で行きあった(「出会った」の諏訪弁)のはこのおっちゃんだけ。
もともと500人足らずの小さな集落ですが、過疎化が進んで空き家が増えているとか。
まぁ、辰野町全体の人口が十年くらい前から徐々に減って今では2万人弱らしいので、
なるほど人が減って鹿が増えているという噂もまんざらウソではないようであります。
県道50号線の有賀峠とは別に、諏訪から伊那谷や高遠に抜ける裏街道として
密かに利用されていたのが沢底の山道。
こんな山奥のドン詰まりみたいなところに日本最古と言われる道祖神があるのは
そもそもそこが集落の入口だったからであります。
この日は快晴。
お弁当を持ってピクニックに行きたくなるようなお天気ですが、風はまだ冷たく、
ローアングルで撮ろうとアスファルトに膝をつくと、氷のような冷たさを感じます。
柔らかな早春の陽射しにはアンジェニューのレンズ。
建物の造りと合わさって、ちょっと懐かしい昭和の風情。
これが集落のドン詰まりにある、日本最古と言われる道祖神。
永生二年(1502年)と刻んであるので、今から500年以上前のもの。
私が今登ってきた道が伊那へ抜ける裏街道。
看板の左手に伸びる山道は当時諏訪との行き来に使われていた裏街道。
道祖神に向かって右手に伸びている山道は高遠へ抜ける裏街道だったそうな。
今日のところはこの辺で。
明日はCP+2016に行ってきます。
辰野ロータリークラブ [辰野通信]
森の木陰でどんじゃらほい♪
しゃんしゃん手拍子足拍子♪
太鼓叩いて笛吹いて♪
今夜はお祭夢の国♪
小人さんが揃って賑やかに♪
あ〜ほ〜いほいのどんじゃらほい♪
伊那谷の日は暮れて、夜の帳が谷を包みはじめる頃。
ひろネコとFくんはソソクサと仕事を片付けて、イソイソと駐車場に向かいます。
何を隠そう今夜は「辰野ロータリークラブ」発足の第一日目なのであります。
「ロータリークラブ」という名称は世間によくあるボランティア団体というか、
時間を持て余した爺さんたちの寄り合いみたいに思う方もいらっしゃるでしょうが、
それは違います。(キッパリ)
実はこの「辰野ロータリークラブ」、またの名を「13Bエンジンを保存する会」と
称する秘密結社のような存在。
MAZDA RX-8をシェアするメンバーの集まりで、現在会員は若干2名ポッキリ!
ご存じの方も多い(実は少ない!?)とは思いますが、MAZDAは現存する自動車メーカーの
中では世界で唯一、ロータリーエンジンを生産&販売している(いた)会社で、
RX-8はNA(自然吸気)の13B型ロータリーエンジン=エネシスを積んだスポーツカー。
とっくの昔に生産は終了していますが、復活を望むファンは少なくないはずです。
Fくんは「三度のメシよりRX-8が好き♡」な、言わばRX-8ヲタクで、自らの手で
通常のメンテナンスはもとより、オーバーホールまでやってしまうという強者。
一方、ひろネコは20代〜30代にかけて、往年の名車MAZDA RX-7(FC3S)にハマり、
「自分で買ったクルマは後にも先にもFC3Sだけ」というロータリーフリーク。
今や絶滅の危機に瀕している13B型ロータリーエンジンを微力ながら守ろう!と
結成されたプロジェクト・チームなのであります。
箕輪のラーメン屋で夕食を済ませ、いざ出陣!
まずは某峠道を3000〜5000rpmの間で軽く流し、次第にペースを上げてゆきます。
ギヤは2速と3速。
タコメータが5000rpmを超えてジェット機のような「ヒュイ〜〜〜ン」という音に
変わりはじめると、アドレナリンがフツフツと湧いてきます。
「あいや〜、こりゃマジでヤバイわ!」
実に20年ぶりに乗るロータリーエンジンは滑らかで力強く、どこまでも回ります。
上下運動するピストンを使ったレシュプロ・エンジンでは味わえないこの感覚を
一度でも知ってしまうと、もう戻れません。
ロータリーエンジン未体験のアナタ。
騙されたと思って一度乗ってみてくだされ♡
病みつきになりますよぉ!
春を告げる福寿草 [辰野通信]
春を探しに“沢底”へ出掛けてきました。
何でわざわざ山奥にある沢の底まで春を探しに行くのかって?
いやいや、“沢底”とは辰野の町からチョロッと山の方に入った集落の名前です。
その沢底地区には旧暦の正月(いわゆる春節の時期)になると福寿草の花が咲くんだとか。
そう、福寿草は辰野のあたりでは春一番に咲く花なのであります。
沢底地区は上辰野から東南東に進路をとって約4km。ぶらぶら歩いて約1時間。
昨日の雨もすっかり上がり、ポカポカというわけではないけど凍みるというほどでも
ない、散歩にはちょうど良い日和。
鼻歌交じりで歩いていると、鎮大神社の隣の畑で福寿草を見つけました。
福寿草といえば、雪の下から顔を出して咲いているというイメージなのですが、
今年の辰野は例年に比べて寒くもなく雪も少なく、後で地元のおぢさんに訊いたら
すでに立春の頃から咲いていたんだそうな。
確かに1月20日頃にまとまめて降ったくらいで、後はチラチラ舞うくらい。
地球規模で気候が変化していることを福寿草も敏感に感じ取っているのでしょう。
「今年は雪も降らねし、地面も凍みねっから、来週から田んぼも畑も起こせるで。」
とおぢさんが言うので、「え〜っ、もう田んぼや畑を始めるんですか?」と訊いたら
「んにゃ、今年は御柱があるで、それどこじゃね。」と笑っていました。
山里に春の訪れを告げる福寿草。
長春で最初に咲く花は「迎春花」(Ying Chun Hua)と呼ばれる黄梅に似た花でしたが、
どちらも冬から春にかけて最初に咲く花は黄色なのですね。
本日のお写真はα7Ⅱで。
1枚目と2枚目そして4枚目がMacro-Switer 50mm F1.8。
3枚目と5枚目がHektor 7.3cm F1.9 + 接写リング16469Y。
描写はだいぶ異なりますが、それぞれ良い味を出しています。
つづく
辰野暮らし [辰野通信]
八畳二間と四畳一間と十畳くらいあるキッチン、トイレ、そして檜風呂。
一人で住むには持て余すくらい広い辰野邸。
しかも野中の一軒家のように静かな環境というのは捨てがたい。
今夜はロストロホビッチの弾くバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら書いてます。
「寂しくない?」と訊かれることもありますが、単身赴任に慣れてしまったせいか、
そう感じたことありません。
むしろやることがたくさんあるので寂しいどころではありませぬ。
「辰野の冬は寒いらぁ?」
確かに、長春に似てシンシンと冷えますね。
でも、空気は良いし、四季の変化がハッキリしていて、自然を満喫できます。
都会と田舎、日本と海外。
いろいろな土地を行ったり来たり、いろいろな人に会ったりするのは楽しい。
それでもまだまだ世界は広くて、何処に何があるのか、知らないことだらけ。
残りの人生で、あとどれだけの出会いがあるのだろう。
今日はカタログ用の商品撮影を。
XF60mmF2.4RはAFがトロいと言われていますが、ブツ撮りにはちょうど良い。
X-T1のファインダーはMFでじっくりとピントを追い込むのに重宝だし。
そもそも全群繰り出しのマクロレンズなんだから、爆速のAFなぞ期待しちゃイカン。
考えれみると、X-Pro1と共に発売された18mm、35mm、60mmの三本があれば、
たいていの写真は撮れてしまいます。
それでもいろいろと欲しくなるのが人情ですがね(笑)