空気質量215 [当代上海]
あっちゃ~、ダメじゃん!
会社の窓から外灘方面を眺めると東方明珠も中国一になる予定の上海センタービルも
スモッグの彼方でじぇんじぇん見えません。
窓を開けて写真を撮っていると、助手のWさんから「臭いから閉めてください!」と苦情がっ!
確かに、排気ガス臭いです。
そこで、スマホを取り出し、空気質量を更新すると……あ~ら、大変!
昨日まで二桁だった空気質量が今日はいきなり
200オーヴァー!( ̄◇ ̄;)ゲゲッ!
“重度汚染”を示しています。
※ 中国語の「質量」(Zhi Liang)は「重さ」としての「質量」の他に「品質」という意味にも使われます。
普段は上海環保部発表の数値よりアメリカ大使館発表の数値の方が高いのですが、
今日に限っては上海環保部発表の数値の方が高いです。
「児童、老人と心臓病、肺病感謝は室内に留まり、屋外での運動はやめるように」
また「一般の人も屋外での運動は減らすように」とのコメントが。
あいや~、空気質量指数が「500」を突破する北京に比べるとまだマシとはいえ、
すでに人類の住む所ではないような……どこか空気のきれいな所へ転勤したいです(泣)
P.S.
明日は南通へ日帰り出張です。
『草間弥生 ‐ 我的一個夢』展 (上海当代芸術館) [当代上海]
『草間弥生 - 我的一個夢(A Drean I Dreaned)』を観に上海当代芸術館へ行きました。
長蛇の列に並ぶこと約1時間、あと少しで售票処(チケット売り場)です。
みなさん何の躊躇いもなくビシバシと写真を撮っているので、
係員に「这里可以拍照吗?」(この中で写真撮っていいの?)って訊いたら「OK」とのこと。
日本だったら撮影禁止だと思うので「本当にいいのかなぁ…」と半信半疑で撮りました。
でもせっかく撮ったので紹介します。(何か問題あるようでしたらご連絡ください)
『自恋庭院』(自惚れの庭)
直径30cmの不錆鋼球(ステンレス球)が1500個集まってできています。
プロジェクターで投影され、鏡で無限に増殖する草間弥生さんの映像。
『無限鏡室 - 灵魂波光』 暗闇の中でカラフルに光るLED。
長蛇の列のおかげで中に居られるのは15秒間「はい、お次の方どうぞ!」という具合。
「え~い、もう一度並んでやるぅぅぅぅぅぅぅっ!」
これはもう圧倒的な迫力で溜息モノのでした。
10人も入れば満員の空間ですが、鏡と水の反射によって無限大の宇宙を感じさせるのです。
『草間弥生 - 我的一個夢』展
上海市人民公園内の上海当代芸術館にて3月30日まで開催。
モダンアートに興味が薄い人でも充分楽しめると思います。
ただし、メチャ混みを覚悟で!
蘇州河を歩く その4 (外白渡橋) [当代上海]
蘇州河を歩く その3 (黄昏の黄浦路) [当代上海]
上海の光と影。
観光客で賑わう外灘から蘇州河に掛る外白渡橋を越えて黄浦路まで来ると、
そこは廃墟ビルが並ぶ薄暗い街。
失った主を待つかのように佇む犬。
「我可以拍照吗?」(写真撮ってもいい?)と声を掛けると「ちらっ」とこちらを
見ては直ぐにそっぽを向いてしまった。
まるで「我等的不是你啊!」(オレが待ってるのはアンタじゃないさ!)と言って
いるみたいに視線は遥か向こうに注がれていた。
アスファルトの空き地に竹箒のバリケード。
反対側の繁みの奥にはブルーシートのテントが張られ誰かが住んでいるような気配。
ホームレス? 紐に引っ掛けられた洗濯物が冷たい風に揺れていた。
背を向けた椅子。
円い穴が開いているところから察するに、捨てられているのはマッサージ用か?
一軒だけ灯りのついた薄汚いビジネスホテルの錆びた看板を除くと、この空き地を
取り囲むように並ぶビルには灯りどころか看板さえ見当たらない。
この通りを歩く人影は一つもなく、誰の声もしない。
いささか不安になって振り向くと、さっきの犬が黙ってこちらを見ていた。
蘇州河を歩く その2 (橋のある風景) [当代上海]
蘇州河を渡る橋の上から外灘、東方明珠塔(Dong Fang Ming Zhu Ta)を眺める男女。
未来も過去も、夢も挫折も、あらゆるモノやコトを呑み込む街・上海。
二人にとってこの街はどんな風に映るのでしょうか?
四川路橋と上海郵政博物館。
後ろのビルさえなかったら、20世紀初頭の上海の風景。
今も昔も多くの人が行き交い、そして未来も多くの人が行き交うであろう街。
生き残る者と物、生き残らない者と物。
一年後? 十年後? 以后的事誰都不知道。(今後の事なんて誰にもわからない)
この船で働く男たち。
黙々と作業を進めるその姿は「男子漢」(Nan Zi Han)という言葉がよく似合う。
その逞しい出で立ちとは裏腹に話をするととても気さくで、ひろネコのような
「ヤサ男」とは対照的に、まさに「男子漢」(壮健な男)を思わせるカッコ良さを
纏う人たちであります。
外白渡橋の先、蘇州河と黄浦江とが合流したところが外灘で、その向こう岸・浦東
に聳える科技高楼(ハイテク高層ビル)の華やかなフィスは若者たちの憧れではある
が、この街を縁の下で支える力持ちはひっそりとした裏街で地味な作業をしている
労働者たち。
背広にネクタイもイカスけど、作業着に安全靴もまたカッコイイのだ!
小ジャレた服着て澄ました横顔で、「茄子~っ!」
日本だと記念写真を撮る時に笑顔にするのは「はい、チ~ズ!」ですが、
中国では「茄子!」と言います。
あ、中国語の「茄子」は「ナス」とは読まず、「チエズ」(Qie Zi)と読みます。
くれぐれもお間違えのないようにっ!
では、もう一度。
はい、「チエズ!」
は~い、よくできました。
外白渡橋越しに眺める外灘(Wai Tan)と浦東(Pu Dong)の高層ビル群。
仮に上海市を二つに分割するとしたら外灘を流れる黄浦江(Huang Pu Jiang)を
境に「浦東」(“河口の東”の意)と「浦西」(“河口の“西)に分割できます。
再開発によって刷新された浦東は今や上海でも最もモダンなエリア。
それに比べて浦西は再開発されているとは言うものの未だ租界時代の名残が濃厚で
西洋と東洋、19世紀の後半と21世紀が入り混ぜこぜになっているカオス状エリア。
どちらがより面白いか?と問われたらひろネコは「カオス」の方に軍配を上げます。