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奇数と偶数 [アジア]

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ここはシンガポールのGeylang Rd.(ゲイラン通り)と呼ばれる所。
タクシードライバーに「シンガポールで一番面白い街」と教えられて来たのは
いいけれど、ただの中国人街&インド人街といった佇まい。
この界隈を二周してみたが、何が面白いのかサッパリわからじ。

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Geylang Rd.沿いには中華&印度の料理屋とバッタモンを並べた店が多数。
こうして見ると、そのまんま中国であります。 

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春節のお飾りもモロ中国。

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こんなマネキンも上海の街でよく見かける光景。
おひおひ、いったい何が面白いっていうんだぁ??????

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これはイスラムの教会かなぁ・・・異国情緒はソコソコあるけど「別に・・・」
って感じ。 

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「ポイ捨て禁止」の看板。
ゴミのポイ捨て、喫煙や飲酒のエリアなどなどの規制や罰金が厳しいシンガポール。
おかげで街はきれいですが、なんでもかんでも法律で規制されていると少々堅苦しい。

 

さて、東西に延びたGeylang Rd.ですが、この通りを境に北に伸びる路地には
奇数番号、南に伸びる路地には偶数番号がついてます。

最初の写真の右側に写っている標識に「Lor 12 Geylang」って書いてありますが、
その反対側のクルマが連なって駐車している通りのスーパーの脇がLor 15 Geylang。
で、Lor ~ Geylangが全部でどんだけあるかというと、北側の奇数が1~41、
南側の偶数が2~40、つまり41本の「Lor」 = 「Lorong」 = 「路地」があります。

そこで、北側にある奇数の路地をウロウロしてみると、こちらはほとんど食べ物屋。
次に南側にある偶数の路地をウロウロしてみると、こちらはほとんどがマンションや
一戸建てが並ぶ閑静な住宅地。

う~む、ますます何が「面白い」のかがわからない。

そこで思い出したのが、タクシードライバーが言うところの「偶数番路地」という
キーワード。
彼の言う「偶数番路地」とはGeylang Rd.の南側、すなわち閑静な住宅地の側
なのですが、ここのどこがそんなに「面白い」のかがどうしても気になります。

ともあれ日も暮れてきたし、お腹も空いてきたので、ここはひとまず晩御飯を
食べることに。

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ここはLor 18 Geylang の角にある食堂。
麺を売る店とご飯ものを売る店と飲み物を売る店とが三位一体となった不思議な空間。
Kくんは牛肉飯と可卡坷拉(コカコーラ)、私は海鮮炒飯と(雪碧)スプライトを
それぞれの店で注文。
写真右手の奥にある麺屋から「お~い、ウチの店の麺も食べてくれよ!」と声が
掛かります。

 

閑話休題。
さて、日も暮れたことだし、お腹もいっぱいになったことだし、「偶数番路地」の
探検を再開です。

まずは三位一体食堂を出てLor 18 Geylang を南へ向かいます。
Bar の店先に立っていた派手な服装の女の子が五人、Kくんに声を掛けてきます。 
いやいや、こっちはそれどこれではない。
何といっても「偶数番路地」の謎を解かなければなりませぬ。

足早に歩くひろネコに追いついたKくん。
Kくん: 「ありゃ立ちんぼですね。」
ひろネコ: 「へ~、こんなところにいるんだ。」
Kくん: 「まぁ、飲み屋の前ですからね。」
ひろネコ: 「それにしても、この路地の何がそんなに面白いんだらう?」
Kくん: 「いやぁ、わかりませんねぇ。」
ひろネコ: 「ただの住宅地にしか見えんが・・・」
Kくん: 「ですよね。」 

ふと気付いたのは、この界隈の一戸建ての門には番地を示すと思しき数字
(例えば47とか62とか)が妙にきらびやかな照明で演出されているということ。

ひろネコ: 「この数字って何だか怪しくね?」
Kくん: 「この数字って番地ですかねぇ。」
ひろネコ: 「だと思うけど、普通の一戸建ての家にしちゃ派手じゃないかぁ?」 
Kくん: 「そうすかぁ?」

そう言いながら立ち止まって、中の様子を垣間見ること数十秒。
門の中にはクルマが2台ほど駐車できるスペース。
玄関の横には大きな摺りガラスの窓。
普通の住宅にしてはちょっと造りが違うような気がします。
マッサージ屋? にしては看板も何もないし・・・

隣の家も遠目から覗いてみます。
この家は玄関のドアが開いていて、中にはほとんどアレレな姿の女の子が見えます。
おひおひ、これってもしかして、いわゆる「置屋」じゃね?

なるほど、タクシードライバーの言っていた「面白い」ってこのことだったのか!
ってことは、こんなところをウロウロしていると強面のお兄さんが近づいてきて、
「ダンナァ、いい子がいまっせぇ!」なんて声掛けてくるんだよ、きっと。

途端にビビるひろネコにKくんは怯むことなく「もうちょっと見ましょうよ」と
やる気満々。
その先を左に曲がってLor 20 Geylang につながる路地に入ると、両脇に同じような
家(店)がズラリ!
しかも呼び込みのおぢさんが立っていて、怪しい日本語で声を掛けてきます。

そこへ日本人、しかも学生と思しき若者がやってきて「ここ、初めてですか?」と
訊いてきた。
「いやぁ、まぁ、そうですね。」
「この辺りは中国系で、あっちの方はマレーシア系ですね。」
「相場は1時間で100(SGD)ですけど実質45分。」
「安いところは80で、高いところは150ですね。」
「一応このエリアは政府公認で合法っすから、大丈夫っすよぉ。」
「まぁ、定期的に検査してるんで病気の心配もないですし。」
「見るだけならタダなんで、とりあえず見て、いい子がいたら指名して・・・」
「あ、先払いなんで、一回払っちゃえば追加とかないっすよ。」 

まるで現地ガイドのように詳しくも怪しい若者。
いったい何者なのかと思って訊いてみると学生ではなく社会人らしいが、この手の
風俗が大好きらしく、休暇を取ってはアジア各地の風俗を訪ね歩いているらしい。

いやぁ、こっちは小心者のなんちゃってサラリーマンなので、この手の業界は苦手。
奥から強面のお兄さんが出てきて散々ボラれた揚句にボコボコにされるんじゃ?
という怖い想像ばかりしてしまいます。

今から10年くらい前、浙江省の宁波へ出張した際に、ピンクのガラス戸とブルーの
ガラス戸の床屋さんがありました。
その時一緒に来ていた通訳のT嬢が「髪を洗いたいので床屋に行きましょう」と
言うので、何も知らない私たちはピンクのガラス戸の床屋に入りました。
(当時の中国では安いアパートだと湯沸かし器等の設備が無く、髪を洗うには床屋さんに行く人が多かった)

そしたら、店のお兄さんが「你带女人也没关系吗?」(アンタ、女連れでもいいのかよ?)
と言うので、「请问这里是那个吗?」(もしかしてココってアレですか?)と訊いたら
「是的」(そうだ)と言われたので通訳のT嬢を連れてサッサと店を出た記憶が・・・
後で地元の人に訊いたら「ブルー」は普通の床屋で、「ピンク」は風俗店だと判明。
T嬢に「何でダメなんですか?」としつこく訊かれたので正直に答えたら大声で
「坏蛋!」(悪党、不良の意)と言われました。(オレのせいなのかぁ?)

ニャるほど、世間には表と裏、ガラス戸にはブルーとピンク、路地には奇数と偶数。

また一つ、お利口さんになったひろネコでしたとさ。
メデタシ、メデタシ。

 

P.S.
任務完了。
明日はジャカルタからシンガポール経由で帰国です。

 


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