追悼 [日記]
アマチュアの楽団でお世話になった指揮者K氏がベトナムで亡くなったと聞きました。
蝶々を探しに行った出先で病死だそうです。
K氏との思い出の曲はチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」。
チェロの独奏とフルートの掛け合いが難しく、練習ではフルートの私がミスばかり。
指揮棒が飛んできたのは数知れず、団員からはブーイングの嵐。
終いには「本番で失敗したらステージの上で土下座しろ!」と怒鳴られる始末。
いっそのこと辞めてしまおうかとも思いましたが、悔しくて夜中に一人でコソコソと
秘密の特訓を続けました。
その成果があったのか、本番は自分でも意外なほど上手くできました。
「ちゃんと演奏できたら」という条件付きで用意されていたアンコール曲は
偉大なるチェリスト・カザルスの「鳥の歌」。
チェロとハープにフルートを加えて編曲したのはK氏。
「ロココ」が無事に終わるとは誰も思っていなかったので「幻の演奏」として
お蔵入りする予定でしたが、K氏のお許しが得られたので実現しました。
他人に厳しい人でしたが、それ以上に自分に厳しい人。
K氏に感謝するとともに、ご冥福を祈ります。
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