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东莞の街と深圳の空 [不思議大陸]

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7〜8年ぶりに訪れたカオス大陸の華南地区。
前半は低気圧の影響もあって雨季のような日が続いたと思ったら、
後半はそれまでの天気がウソみたいに晴れマーク。

そこで気づいたのは北京や上海よりも东莞や深圳の空の方が格段に「青い」こと。
私が単身赴任で中山に住んでいた頃は广州(Guang Zhou)、佛山(Fo Shan)
东莞(Dong Guan)、深圳(Shan Zhen)、珠海(Zhu Hai)、どこへ行っても空はドンヨリ、
排気ガスはモウモウで青空なんて滅多なことでは拝めなかったのに・・・
これは一体どゆこと??? 

実は今回、10日余りの出張で日系企業と中国・台湾企業を合わせて
20社ほどの光学メーカーを訪問したのでありますが、
調子の良い会社は片手で数えられるほど。
それ以外はどこの会社も生産量が3年ほど前のピーク時に較べて30%程度と
ひどく落ち込んでいました。 

スマホの台頭でコンパクト・デジカメが一気に衰退。
一時は月産数百万個も加工していたレンズ工場は
下請け工場から仕事を引き上げてもなお過剰設備で閑古鳥。
監視カメラ用レンズに移行するか?それとも車載カメラ用レンズに移行するか?
新たな設備投資や技術革新を必要とするメーカーが考えあぐねているうちに
予算も技術もある他社が次々に参入して競争が激化。
価格競争とコスト競争でお互いに叩き合い。
今や採算ギリギリで「儲かりまへんなぁ」と溜息混じり。
それでも生き残りを懸けて、日々熾烈な戦いを続けている。

もちろん光学メーカーに限らず、同業他社との価格競争やコスト競争に加え
政策的意図もあって年ごとに右肩上がりを続ける賃金に圧迫されて
経営が苦しいのはどの業種も似たり寄ったり。
おかげで工場を閉鎖する企業が相次いでいるのであります。 

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酒店の窓から見下ろす早朝の深圳の幹線道路。
7時半からはじまる交通規制を前に市街を通過しようとする大型車両で大渋滞。
(反対車線はガラ空き)

道路の向かいにある建物の一階は軒並み店仕舞い。
二階も三階も、そして裏手にあった町工場も廃墟と化して久しいらしい。
10年位前に3交代制で24時間フル稼働していたのがウソだったかのように
今では昼も夜も人影も疎ら。
そんなわけで夜勤明けのワーカーが宵夜(Xiao Ye)=夜食を食べに行く深夜食堂も
怪しげなネオンが灯る理发店(Li Fa Dian)=床屋や按摩店(An Mo Dian)=マッサージ屋も
Tシャツを胸まで捲って腹を出した男子汉=中国男子が通う量販式卡拉OKも
ケバい化粧をした小姐(Xiao Jie)たちが屯する日式卡拉OK(カラオケ)も
すっかり見かけなくなりました。(特に东莞は)

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工場が減り交通量が減れば空は青く澄み、人が減り商売が減れば夜の街は真っ暗に。

河を隔てて香港と隣接する深圳の福田口岸(Fu Tian Kou An)
かつては大陸と香港を往来する担ぎ屋軍団で混み合っていたのだが、
今はややお上品な(そうはいっても大陸人の)観光客の姿に変わりつつあるようで、
ガチャガチャしていた深圳の街も少しは落ち着いてきたのかもしれない。

マスコミが騒いでいるようにカオス大陸のバブルは既に弾けているのだろうが、
この程度では経済が破綻したと言い切れるほどカオス大陸は単純ではにゃい。
ただ、この大陸は今後ますますカオスと化していることは間違いないだろう。
そしてその先に何が起きるのか・・・
いやぁ、これからもこの大陸からは目が離せませんぜ、ダンナ。

 

P.S.

今回は短期間で件数をこなそうと頑張りすぎて時間的にも体力的にも
ハードボイルドエッグな出張だったので、次回はスケジュールに余裕を持たせて
写真を撮りに街へ出る時間を作りたいですね。
カメラもX2 とかでなく、M Monochrom とレンズ3本くらい持参して、
変化するカオス大陸をドキュメンタリー・タッチで撮影しようと思いまふ。

 


タグ:LEICA X2
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