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塔のある小巷(寺街) [南通老街]

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寺街

- まえがき -

2015年の新しいお題は『南通老街』。
まだ「アレ」を入手していないので、正月休みにぶらぶらと下見に行きました。

上の写真は寺街(Si Jie)という名の小巷(Xiao Xiang)=狭い裏路地。
写真の中央に頭を覗かせている塔はこの界隈のシンボルである天宁寺(Tian Ning Si)
建てられた光孝塔(Guang Xiao Ta)
「寺街」の名は「天宁寺に通じる街(=streetの意)」に由来しているのであります。

南通の歴史は今を遡ること千年以上もの昔、唐の滅亡から北宋の成立に到るまでの
五代十国時代(900年〜960年頃)に遡るとのこと。
その頃はまだ南通(Nan Tong)ではなく通州(Tong Zhou)と呼ばれていましたが、その後
崇州(Chong Zhou)あるいは崇川(Chong chuan)となり、辛亥革命後の行政区分の変更で
南通县(県)と呼ばれるようになったそうな。

俗に「古南通城」と呼ばれる旧南通城市は后周显德5年(958年)に築城され、現在の
南大街(Nan Da Jie)にある鐘楼(zhong Lou)と谯楼(Qiao Lou)を中心に濠河(Hao He)という
名の“お堀”に囲まれた地域のことを指します。
当時の城壁は北濠橋付近の北極閣(Bei Ji Ge)跡を残してすでに取り壊され、現在では
環城東路、環城西路、環城北路、環城南路に姿を変えています。
すっかり近代化された南通ですが、旧城市内には今でも明清代の町並みが残っていて
当時の面影を垣間見ることができるのであります。

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現在の鐘楼広場
鐘楼は1914年に、その後方にある谯楼(時を告げる太鼓を設置した建物)は1349年に建てられた。

南通は1990年代から急激に発展した地方都市。
表通りを歩いていると現代的な高層マンションやスーパーマーケット、綺羅びやかな
繁華街ばかりが目について昔の面影はほとんど残っていません。

もともとこの辺りは長江デルタ地帯の南京、蘇州、杭州、無錫あたりでよく見られる
反り返った瓦屋根に白壁が特徴の明清代住宅がたくさんあったはずなのですが、
それらは跡形もなく取り壊されて、日本の昭和30年代・高度経済成長期と同様に
団地タイプの“文化住宅”に更新されていました。

もちろん郊外の農村地帯に行けば昔ながらの家並みを見ることはできるのですが、
もともと城下町だった南通の風情を撮りたかったひろネコはいささかガッカリorzして
半ば諦めていました。( ̄_ ̄;)なんだかなぁ

ところが、ひろネコも歩けば被写体に当たる・・・やはり歩いてみるものですね。

南大街の繁華街、表通りから裏通りへと一歩入ってみると、あ〜ら不思議!
まるでタイムスリップしたかのように、あるではないか!あるではないか!

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南通老街はいずれも観光化されているわけではなく、善良なる一般人民が普通に生活
している場所、つまりプライベート・エリアですから無造作に辺り構わずカメラを
向けてパシャパシャと写真を撮るのはあまりに不躾であります。

小学生の頃、友達と道端でキャッチボールをやっていて投げたボールが近所の家の
敷地に入ってしまった時、もしも黙って門を開けて勝手に入り込んで見つかったら
叱られるので「すみませ〜ん、ボールを取らせてくださ〜い」と声を掛けたように、
この老街で写真を撮るにはそれなりの作法が要るのであります。

もしかすると日本人未踏の南通老街。( ̄▽ ̄;)ドキドキ
まずはぶらぶらしながらこの街の人民たちと顔見知りになって、そのうち世間話でも
しながら自然体で撮れるようになれたらいいですね。(=⌒_⌒=)

 


nice!(4)  コメント(2) 
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コメント 2

かいはら


南通老街と鐘楼、良いじゃん。
南通にいる間に、撮りまくれば?
おそらく、ちゃんと撮っている人いないと思うよ。
アレが来るのを待つ前からね。

by かいはら (2015-01-10 11:41) 

hironeko

かいはらさん
実はアレを手にするのが待ちきれず、
パチャパチャ撮りはじめてます(笑)

by hironeko (2015-01-10 13:43) 

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