夕暮れ時(寺街) [南通老街]
夕暮れの寺街に大豆油の香りが漂う。
活字が読めなくなるころには晩御飯の支度が出来上がるのだろう。
理髪店の前で立ち止まり、腰を曲げたまま3分ほど立ち尽くすお婆ちゃん。
「没事吧?」(大丈夫?)と声を掛けると、お婆ちゃんは首を右に捻ってこちらを見上げ
顔色一つ変えず無言のまま、何事もなかったかのようにゆっくりと歩きはじめた。
大丈夫かな?と思って振り返ると、二軒先でまた同じ姿勢で立ち止まっている。
本当に大丈夫かな? 次に振り返った時、お婆ちゃんの姿は何処かに消えていた。
夕暮れの南通老街はひっそりとして、どことなく寂しい。
お年寄りばかりで子供の姿が見えないからかもしれない。
暮れてゆく南通老街を濠河北にある北極閣(旧南通城北門跡)の頂上から眺める。
手前右が天宁寺孝光塔、中央奥が南通電視塔。
新旧の南通が重なり合い、時代が交錯する。
それにしてもこの空气汚染、どうにかならんかなぁ・・・
明日から春節のため一時帰国。
この街ともしばらくオサラバであります。\( ̄▽ ̄)/ ひゃっほ〜っ!
門(寺街) [南通老街]
近ごろX-T1とXF35mmF1.4R の組合せが気に入っていて、こればかり使っている。
M Monochrom ではSummicron 50mm の使用頻度がダントツだ。
いわゆる「標準レンズ」ってヤツですね。
ようやく基本に辿り着いたとも言えますが、実は今、標準レンズがマイブーム!
よくよく考えてみると手元にあるのは対角線画角が45°前後のレンズが多く、
いつの間にこんなに増殖したのか、私にもよくわかりません(笑)
Fujinon XF35mm F1.4R (Fuji X Mount)
Leitz Summicron 50mm F2 2nd (Leica M Mount)
Leitz Summilux 50mm F1.4 1st (Leica M Mount)
Voigtlander Nokton 50mm F1.5 for Prominent 改 (Leica M Mount)
Kern Macro-Switar 50mm F1.8 AR (Alpa Mount)
Cosina Auto-Topcor 58mm F1.4 Ai-S (Nikon F Mount)
ざっと数えただけでも6本!(おひおひ)
その中でMacro-Switar の出番がないのよねぇ・・・マウントの都合で。
アダプターを噛ませればAPS-CのX-T1でも使えないことはないけれど、
いわゆる「フルサイズ」じゃないからイメージサークルの約半分しか使えない。
それとLeitz Elmar 65mm F3.5 やAngenieux Alitar 180mm F4.5 も。
そこで私は「アレ」を狙ってます。
何故なら「アレ」は“開かずの門”を開くための“鍵”なのです。
アレって何よ?って思うでしょ?
さて、何でしょう? (= ̄▽ ̄=)
ふっふっふっ・・・わかってるくせに♡ (いつまで引っ張るつもりだ?)
这是我的秘密! 所以現在不能告訴你! 不过它馬上到! Coming soon!
我回到日本就告诉你! であります。
迷路(仁巷) [南通老街]
西南营地区の中では一番広い幅5mの掌印巷(Zhang Yin Xiang)の途中、白壁と白壁の
隙間に見つけたのが、この界隈で最も狭い幅1.5mの仁巷(Ren Xiang)。
ウロウロしているうちに道に迷ったようです。
老街にはお年寄りが多く住んでいて、子供の姿をほとんど見かけません。
その代わりと言ってはナンですが、猫や犬はよく見かけます。
きっとここに住むお爺さんやお婆さんの息子夫婦あるいは娘夫婦は孫たちと一緒に
90年代に建てられた文化住宅やここ数年でニョキニョキ群生してきた高層マンション
に住んでいるのでしょう。
軒に干されているトートバッグ。
この大陸でも男の子は「青」、女の子は「赤」なのかな?
出てきた所はさっき歩いた南关帝庙巷(Nan Guan Di Miao Xiang)。
いやはや、一度迷い込むと元来た道に戻るだけでも大変だ(滝汗)
古井戸(南关帝庙巷) [南通老街]
西南营地区では二番目に狭い幅1.7mの南关帝庙巷(Nan Guan Di Miao Xiang)。
突き当りまで来たところで右か左か迷う。
別にどちらでもいいので当てずっぽうで右に曲がると小巷は更に右に折れていて、
その先の更に狭い小巷に入ろうとしたところでぐるぐる眼鏡を掛けたお爺さんの声に
呼び止められた。
ところがこのお爺さん、何を行っているのかサッパリわからない。
たぶんバリバリの南通語。
しかも何やら怒っているご様子。
「不好意思,我迷路了!」(すみません、道に迷っちゃっいました!)
「#$%&¥@*!」
「请问,这个小巷不能走吗?」(お尋ねしますが、この路地は通れないんですか?)
「@$#&%*!」
「是不是你的家?」(もしかしてお宅ですか?)
「&*$¥%!」と言って首を縦に振るので、どうやらあと一歩でお爺さんの家に
不法侵入してしまうところだったらしい。
「那边可以走吗?」(あっちには行かれるの?)と来た道の反対の方向を指差すと、
お爺さんは今度は何も言わず首を縦に振った。
来た道を戻ってゆくと、道端に古井戸を発見!
涸れ井戸だろうと思って覗いたら、水がありました。
「公井79号」とあるので、これは公共の井戸なんですね。
南通の街は長江三角洲(Chang jiang San Jiao Zhou) =長江デルタのド真ん中。
大昔は湿地帯だったので、ちょっと掘れば水が湧いてきても不思議じゃありません。
きっと昔はこの井戸水を生活用水として利用していたのでしょう。
あるいは今でも飲料水以外で使われているのかもしれません。
ニセモノ天国(文廟) [南通老街]
南通文庙は北宋太平興国五年(980年)にはじまり、大門=戟门(Ji Men)や奥に見える
大成殿などは明清代に建てられたそうな。
1983年には南通市、2011年には江蘇省の文物保護単位=文化財として指定されたが
文庙の敷地内はいつの間にか「文廟古玩市场」(Wen Miao Gu Wan Shi Chang)と称した
ニセモノ骨董品のフリーマケット状態になってしまったそうな。 (看板まであるし)
敷地内には無許可で売られているニセモノ骨董品がザクザク。
この手の贋物はこの大陸のどこへ行っても売ってます。
長春の偽満州博物館の敷地内にある土産物屋でも毛沢東語録や正宗四十八手集などと
一緒に売ってます。
店の裏に行くと古銭に見せるために腐蝕させる作業なぞしていて、こんなの買う人が
いるのかなぁと思いつつ見ていると、それはそれで勉強になります。
アレもコレも全部ニセモノ。
管理費(所場代)は20元/日(≒380円)らしい。
写真を撮っていたら、どこからともなくヤバそうなお兄さんがやってきた。
「喂,你是记者?还是警察?」(おい、アンタは報道か?それとも警察か?)
「不、我是旅游的。」(いんや、旅行だよ)
「这里不可拍照的,知道吗?」(ここは写真撮っちゃダメなんだよ、わかったかぁ?)
「是吗? 那我不拍了。」(そうなの?じゃあ撮らないよ。)
ニセモノ業者は文庙の敷地内だけでなく裏門にもウヨウヨ。
何だかここはシロウトさんが来るところではなさそうな雰囲気。
偽骨董品の闇市とも言える古玩市场は10年ほど前からゲリラ的にはじまったらしく、
南通市城管局や工商局、文化広報新局が繰り返し実施している取り締まりにもめげず
ほとぼりが冷めると復活してくるので市の関係者は頭を悩ませているとか。
http://www.zgnt.net/content/2011-10/17/content_1934688.htm
何がひどいかというと、敷地内はゴミだらけ。
弁当の容器やペットボトル、食べかす、散乱する紙屑に煙草の吸い殻・・・
そして鼻に纏わりつくトイレ臭( ̄⊥ ̄;)
まさに乱摆乱占、以假充真、秩序混乱。
とてもじゃないが千年以上の歴史がある文化財保護地区とは思えん!
一枚目にも四枚目にも写っているこのオバサン。
ひろネコが文庙内をウロウロしている間、ず〜っとこの姿勢で昼寝をしていた模様。
というわけで最後にパチリ。
日当たり良好で、よく眠れたことでしょう。