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V7 Racer でワインディングロード(月明かりのヴィーナスライン) [辰野通信]

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ヴィーナスライン・扉峠付近から

三桁県道をつないだ白馬往復ツーリングもいよいよクライマックス。
再びヴィーナスラインの美ヶ原付近に合流したころには夏至を過ぎて間もない太陽も
北アルプスの彼方にスッポリと沈んで辺りは夜の闇に包囲されはじめました。

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月明かりに照らされたヴィーナスラインの路肩にV7 Racer を停めると、鳥のさえずり
さえ聞こえない、まるで時間が止まったかのような静寂が訪れます。 

藍色に染まった西の空を眺めながら煙草に火をつけ、その日走った道のりを振り返るとスロットルを捻る右手が縦置きVツインエンジンの鼓動でわずかに痺れ、クラッチを握る左手の筋とニーグリップしていた内腿の筋肉が時折ピクリと引き攣ります。

いやはや、今日はよく走ったな・・・ 

このまま温泉に飛び込んだら、それこそ“至福の時”を迎えられるのだけれど、
ここから辰野に戻るには霧ヶ峰を経てから諏訪へ出て、さらに有賀峠を越えなければならない。 

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遠くに諏訪の夜景、その向うに見えるのは木曽駒ヶ岳か?

イグニッションをOnにして空冷の縦置きVツイン・エンジンを再起動させると
乾いたエキゾースト・ノートが静まり返った山の中で生きているたった一匹の獣の
息遣いのように響き渡る。

乾式クラッチを切り、ギアを1速に入れる。
「ドリュリュン」と一発空吹かしして車体が右に傾く感触を内腿で感じてから、
ゆっくりとスロットルを捻り、タコメーターの針が3000rpm を指したところで
おもむろにクラッチを繋ぐ。

4000rpmで2速に変え、次は5000rpmまで引っ張る。
7000rpmからはじまるレッドゾーンまで引っ張るまでもなく、我がV7 Racer は
月に向かってドリュドリュとスピードを乗せてゆく。

旅の終わりはいつも少しだけセンチメンタルなのであります。

 


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コメント 1

江戸人

いいねぇ・・・・!
詩人だねぇ・・・・!
そいでもって、帰って、チビチビですか・・・・・!
いいねぇ・・・・!
by 江戸人 (2015-07-10 16:54) 

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