憧れの洋館 [老上海]
本日は上海で一泊。
ここ客堂間精品酒店は地下鉄10号線を陕西南路站から徒歩10分。
襄阳南路から永嘉路を折れたところにひっそりと佇む租界時代の洋館です。
最上階(三階)の小じんまりとした部屋。
ロフトにあるベッド。
裏窓から外を眺めると、まさに屋根裏部屋の雰囲気ですね。
ネットで予約した時点では単なるボロっちいホテルに見えたのですが、まさか租界時代の洋館に泊まれるとは!
上海赴任時代は2DKのマンションに住んでいたのですが、実はこんな部屋に住みたかったんです♡
P.S.
ここだけの話ですが、今回の出張にスマホを持ってくるのを忘れました( ̄▽ ̄;)
っていうか、会社に置き忘れたんですがね。
いやぁ、我ながらとんだドジを踏んだな・・・と反省しております。
スマホのある生活に慣れてしまったのでさぞかし不便だろうと心配でしたが、無ければ無いで意外と平気なんだな・・・と思った次第です。
上海譚 - 小南門〜乔家路 [老上海]
地下鉄9号線小南門駅付近にある小南门警钟楼。
1910年に建てられた火の見櫓は旧上海城市の今は無き城壁に沿う中华路沿いにあり、
辛亥革命で武装蜂起の鐘が鳴らされたことで有名な歴史的建造物。
鐘楼は現存しているが、当時の鐘は文化大革命で取り外されたそうな。
中华路から横道に逸れて旧上海城内の奥へ入ってゆくと、そこは路地全体が市場のような賑わいを見せる乔家路(Qiao Jia Lu)。
交差点のド真ん中に店を出してますが、いいんですか?
旧上海城市の台所みたいな乔家路は食料品から衣料品まで日用品なら何でも揃う。
しかも同じ上海とは思えないくらい、繁華街よりも安い値段で熱烈売り出し中。
上海語が頭上をガンガン飛び交いますが、普通话(標準語)オンリーのひろネコには
ちんぷんかんぷん。
果物屋のオバちゃんに差し出された「紅柚」(Hong You) を頬張っているうちに、
一緒に歩いていたはずの友人と逸れてしまってキョロキョロ。(待たせてゴメンナサイ!)
やはり上海はモダンで小洒落た繁華街よりも庶民の熱気ムンムンの路地裏が面白い。
客引きの声、値段交渉するオバちゃんの気合、傍若無人な自転車&電動車……
その中で自由自在に振る舞うにはそれなりの覚悟がっ。
「おもてなし」の日本もいいけれど、13億総オバタリアンなこのカオス大陸には
日本人の忘れかけた「生命力」が漲っているように思います。
負けるなニッポン! 不景気なんかブッ飛ばせ!
上海譚 - 夢花街から文庙路 [老上海]
ここは夢花街
路地裏の散策
陽だまりには洗濯物がゆらゆら
旅人の肩にはカメラがぶらぶら
儚くも優美な名前に似合わず生活感が其処此処に滲み出ている裏街通り
まったりした時の流れに身を任せ男子二人は足の向くまま気の向くまま
秋の一日は和やかに
時の流れは緩やかに
近所の同級生かなぁ……前を歩く二人の会話が断片的に聞こえてくるのですが、
どうやら上海語らしく、私にはさっぱりわかりません。
もしかしたらいたずらの計画でも立てているのでしょうか?
午後の太陽を背に受けてとても楽しそうに歩く二人の後を追いながら、
ふと自分が子供だったころ、学校からの帰り道を思い出したりして……
あ、背後から忍び寄る中年日本男子は決して“変なおぢさん”ではないからね♡
夢花街(Meng Hua Jie)の突き当りを右に曲がると学宮街。
さらに突き当たると文庙路(文廟路)。
文庙(Wen Mio)とは孔子を祀った霊廟で、上海だけでなく全国の彼方此方に。
南京の夫子庙(Fu Zi Miao)も文庙の一つ。
「学問の神様」という点では東京の湯島天神みたいなものですかねぇ。
文庙路のもう一つの顔は上海のヲタク系が集まるフィギュアショップ・ストリート。
数年前はコスプレ・ストリートだったとか。
いやぁ、屋台まで出ていて、それはそれは賑やかでありました。
P.S.
先ほど先日退院した母親に電話を掛けました。
まだ痛みはあるようですが、何とか一人で生活できるようになったようです。
遠慮しながら長男夫婦の世話になるのもナンだし、海外に出っぱなしでタマにしか
帰ってこない極楽とんぼの次男なぞ当てにならないし、昔から付き合いのある
同年代のジジババ同士、持ちつ持たれつの関係で老後を過ごす方が気楽でしょう。
人間、何歳になっても自立心があれば自ずと生命力が湧いてくる。
そんな母親を見ていて、こりゃ百でも二百でも好きなだけ長生きしてほしいものだ
と思いましたとさ。メデタシ、メデタシ。
上海譚 - 中華路から董家東路 [老上海]
地下鉄9号線の老西門駅から迷路のような路地に入ってウロチョロ。
塀の向こうに陆家嘴の高層ビルが見えたと思ったら、そこは中華路。
湾曲した中華路に沿って建てられたレンガ造りの長屋。
クモの巣状に張り巡らされた電線のうち、
二本ずつ並行に伸びているのはトロリーバスの架線。
交差点に立つお巡りさん、立ち話してないで仕事しなさいってば!
濃厚に漂う平屋造りの長屋が並ぶ董家東路へ。
手前の「照相彩扩」(写真撮影・カラープリント引き伸ばし)の看板は写真館。
「专卖 铁观音 乌龙茶 龙井茶」はお茶屋さんで、店先に並べた特売品の他に
何故か調味料やサンダル、扇風機まで並べてあります。
その向こうに携帯電話屋、ワンタン屋、焼肉屋、雑貨屋etc。
この界隈だけで日常生活がすべてまかなえるくらいのお店が犇めいています。
振り返ってもう一枚。
千里香馄饨王(千里香ワンタン王)は最近値上げしたのか、メニューを書いた看板の
大肉麺と大排麺と辣肉麺のところにガムテープが貼られ、その上からマジックで
「11元」(198円)と書き改められています。
携帯電話屋の店先に座って通行人にガン飛ばしている阿姨(おばさん)。
確かに世の中は不景気ですからねぇ……
でも、そんな顔で睨んでたらお客さん逃げちゃうでしょ?
さて、董家東路のはずれで見つけたこの車両、何だかわかりますか?
一見、へなちょこな四輪駆動車に見えますが、実はこれ、
Schmitz / One Seven社(ドイツ)製の特殊泡消火設備を搭載した
Gimaex社(フランス)製の「Schout」という名の小型消防車なんです!
定員は二人。
エンジンはV型2気筒、排気量は650cc、出力は43kw (59HP)で、四輪駆動。
幅1,390mm、全長2,380mm、ホイールベース1,499mm、最低地上高210mm、
車重900kg。
老上海で見つけた最新技術。
これなら狭い里弄の奥で火災が起きても消火活動ができますね。
http://www.gimaex.com/
http://www.oneseven.com/
上海譚 - 海倫路 [老上海]
虹口区の海倫路(Hai Lun Lu)は地下鉄4号線海倫路駅から1933老場坊へ向う道。
道路に沿って続く白壁に瓦屋根……古きよき時代の上海にタイムスリップ!
ドアに貼り紙だけの家具工房。
以前、広東省中山市三郷鎮にも似たような家具店があり、
そこでダーツボードを取り付ける“衝立”みたいなスタンドを
特注で作ってもらったことがあります。
丁寧にニスまで塗られたそのスタンドはなかなかの出来でした。
転勤で長春に引っ越すときに中国人の友人に譲ったら
大喜びしてくれたことを今でも覚えています。
中国といえばリヤカー風の三輪車。
交通事情もあって繁華街では見かけなくなりましたが、
ちょっと裏に入るとこのとおり、まだまだ現役です。
運河に掛かる橋の袂に広げて干してある辣椒(唐辛子)
誰かに盗られる心配など要らないくらい平和な裏通り。
1933老場坊の裏手にある里弄。
例によって洗濯物や布団のオンパレード。
ビロ〜ンと突き出した物干し竿(!?)が庶民の逞しさを表してます。