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あの頃の気分で [ぶらり旅]

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西湘バイパス / 国府津・湘南PA 

週末、夜学の講義は21:00に終わる。
他の学生たちがこぞって夜の街へ繰り出してゆくのを余所目に、僕らはフルフェイスのヘルメットと革のグローブを手にして大学脇の路地へ向かった。
コンパに行く気などサラサラ無く、好きな子はいてもデートには誘わない。
バイクの魅力に取り憑かれていたせいで、とにかく週末は自由に走りたかった。

TはCB750F(FA)、僕はRZ250R。
九段下から青山通り(国道246号線)→環八→第三京浜を経て保土ヶ谷PAへ。
ここから鎌倉へ出て湘南を流すか、小田原へ出て箱根や伊豆の峠を攻めるか・・・
コーヒーとタバコで一服しながら、その時の気分で決めていた。
今から30年も前のことだ。

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西湘バイパス/ 国府津・西湘PA

時はすっ飛んで先月の連休のこと。
第三京浜から横浜新道、そして西湘バイパス。
あの頃と同じルートを通って小田原の早川へ。
途中で国府津の湘南PAに立ち寄るのは習慣みたいなもの。
海風に吹かれながら、今はいるはずのないブルーのCBを探す自分がいる。

国道135号線の渋滞を避けるため、ターンパイク経由で伊豆スカイラインへ。
そういえば、ブルーのCBはいつも僕をリードするように前を走っていた。
現役で夜学に入った僕と二浪したTとでは歳が二つ離れていた。
単なるバイク仲間という風でもなく、親友と呼べるほどでもなかったが、週末になるとどちらからともなく誘っては一緒に走っていた。

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大沢温泉近くにある宿・BB Roadの看板

伊豆半島の尾根を豪快に貫く伊豆スカイラインは貸切状態。
前日にリアサスのプリロードを調整したおかげで倒し込みが軽くなり、縦置きVツインのアクセルを捻ると以前よりも旋回力が増して気持ちが良い。
気がつくと結構なペースで走っていて、冷川ICまであっという間だった。

杉の木で鬱蒼とした県道59号線に入り、狭くてタイトな国士峠を越えて湯ヶ島へ。
国道414号線で天城から河津を経て下田へ出ると、一旦引き返してから県道115号線で大沢温泉近くの宿・BB Roadへと向かう。
BB Roadを訪れるのは今回で2回目。5月の連休以来、約半年ぶりとなる。

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大沢温泉

BB Roadの金子氏はTriumph Daytona 675とひろネコと同じMoto Guzzi V7 Racerのオーナーでもある。(V7 Racerは奥さんに乗っ取られたようだが)
諏訪周辺ではもちろん都内でも見かけないV7 Racer。
初対面からV7で盛り上がったけど、今回もV7のネタで話が弾んだ。

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ライダーハウスBBRoad(www.geocities.jp/bbroad_2001

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松崎町

海沿いの国道136号線を右折。
県道59号線で仁科峠へと向かう。
陽の当たらない杉の山道はところどころ苔が生しているので、ラフに加速しようとするとリアがズルリと滑べる。
尾根まで上がって視界が開けると・・・

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仁科峠

ここから西伊豆スカイラインを一往復。
アップダウンの激しいハイスピードステージにも拘らずV7 Racerの縦置きVツインはドリュドリュと力強く加速。

リアサスペンションのセッティングが功を奏して高速コーナーもいい感じ。
ほとんど貸し切り状態だし、あまりの気持ちよさにもう一往復。

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戸田・御浜崎

西伊豆スカイラインを満喫してから県道411号線で急降下。
宇久須から国道136号線を北上して土肥。
いつもなら修善寺へ向かうところ、そのまま海沿いを走りたくて県道17号線に。

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戸田漁港付近

時に浜沿いを、時に断崖絶壁の上を走る県道17号線。
タイトコーナーの切り返しも軽量なV7 Racerなら苦にならない。
「ドンキー」(ロバ) と呼ばれてはいても、公道では充分過ぎるほど速い。
何よりも楽しいのはスロットルをグイッ!と開けられること。
一段高めのギヤを使って3000rpmくらいから引っ張るとV7ドンキーは車体を震わせながら路面を蹴り上げる。

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大瀬海水浴場

雲の上に富士山が顔を出す。
ここからは海の向こうに富士山を眺めながら西伊豆の海岸線をドリュドリュ。

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大瀬崎

西伊豆の海は東伊豆よりも澄んでいる気がする。

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重須 / 弁天島付近

単身赴任で来ている辰野は日本で最も海から遠いのでは?と思える場所。
普段はビーナスラインのような山岳ロードを走っているので、久しぶりに海沿いのワインディング・ロードを走るとこれまた爽快。
カミさんには「海の似合わない男」と呼ばれているけれど、それは海パン履いて泳いでいる姿のこと。

オートバイに跨ったままヘルメットを脱ぎ、水平線を眺めながら一服している姿を見れば、カミさんから見ても意外と海の似合う男なのではないか・・・と思ったりもするのだが、果たしてどうなんだらう?
思えば“あの頃”は似合う似合わないは別にして、そうやって海を眺めていたものだ。

Tは今でもCBに乗っているのかな?
彼が札幌に住んでいた頃は冬になるとアパートの縁側からベニヤ板を敷いた六畳間にCBを取り込んで越冬させていたことを思い出した。
何とも微笑ましい光景だった。


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