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再び、海へ! [新潟]

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また海へ来てしまった。
それでも自分の追いかけるイメージに出会えるとは限らない。
今日はもう少しのところで水平線の上に掛かった雲が沈む夕日を隠してしまった。 

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そして日没。
ここからの約20分間、刻々と変化する空に目を向ける。 

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魔法のランプから飛び出してきたかのように現れた雲

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残照のあたる漁師小屋

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炎のように燃え上がる雲

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流木の砲台

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そして海上の城に明かりが灯る

夜の帳が降りるまでの間、僕は波打ち際を散歩する。
斜め右後方から僕を追いかけるように波が手招きをしながら寄せてくる。
手で触れると冷たくも温かくもないそれ自体が生き物のような液体は不意に足元に
纏わりついて僕を引き込もうとする。
「きっとまた来るから」
そう言い残して、僕ははまなすの咲く砂丘に停めたクルマへと向った。
振り向くと空には星が出ていて、波の音は砂に吸収されて微かに響いていた。

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今夜の曲は(このフレーズ、久しぶりですね)リヒャルト・シュトラウスの
『四つの最後の歌』から第四曲「夕映えの中で」。
E. シュワルツコップのソプラノとジョージ・セル指揮のロンドン交響楽団で。

 


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